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脳死は人の死か?東野圭吾原作の衝撃のミステリー小説を映画化『人魚の眠る家』鑑賞レビュー(ネタバレあり)

今回は東野圭吾原作のミステリー小説を篠原涼子主演、堤幸彦監督で映画化した、『人魚の眠る家』を一足先に試写会で鑑賞させて頂きました。

 

人魚の眠る家 (幻冬舎文庫)

 

 

 

 

 

あらすじ

離婚寸前の夫婦のもとに、ある日突然、届いた知らせ。「娘がプールで溺れた――」。愛するわが子は意識不明のまま、回復の見込みはないという。奇跡を信じる夫婦は、ある決断を下すが、そのことが次第に運命の歯車を狂わせていく――。

映画『人魚の眠る家』公式サイト

 

 


映画『人魚の眠る家』 予告編

 

 

人魚の眠る家 (幻冬舎文庫)

人魚の眠る家 (幻冬舎文庫)

 

 

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

脳死は人の死か?

 

原作はその作品ほぼ全てが映像化されるほど人気の作家・東野圭吾のデビュー30周年を記念して執筆された『人魚の眠る家』ですが、発売され1ヶ月で27万部を超えるベストセラーとなっています。

監督は、『トリック』、『SPEC』の堤幸彦

愛する我が子がある日突然、脳死という悲劇に襲われ、究極の選択を迫られる母親、薫子役に、篠原涼子。妻・薫子の常軌を逸した姿に苦悩する夫・和昌役を西島秀俊が演じています。

 

 

 

 

そして科学の力で娘を回復しようとする社長の和昌に協力して、次第に科学の力に盲目になる研究員の星野役に坂口健太郎。研修にのめり込む星野を心配する恋人役に川栄李奈。孫娘をプールに連れて行き事故が起こった為、責任を感じている祖母役に松坂慶子、和昌の父で先代社長役を田中泯が演じるなど豪華な出演者も豪華です。

 

 

 

物語のキーとなるのが“脳死”です。

小学校の受験を控えた女の子・瑞穂はある日、祖母と弟、従姉妹と共に出掛けたプールで溺れ、意識不明の状態に陥ります。脳に酸素が長く供給されなかった為に脳死となり、回復の見込みはないと宣告されます。

 

脳死(のうし、英: brain death)とは、ヒトの脳幹を含めた脳すべての機能が不可逆的に回復不可能な段階まで低下して回復不能と認められた状態のことである。ただし国によって定義は異なり、大半の国々は大脳と脳幹の機能低下に注目した「全脳死」を脳死としているが、イギリスでは脳幹のみの機能低下を条件とする「脳幹死」を採用している。日本では、脳死を「個体死」とする旨を法律に明記していない。

脳死 - Wikipedia

 

薫子と和昌は医者から究極の選択を迫られます。それは、回復の見込みのない娘を延命措置を施し回復を待つか、死を受け入れ臓器を提供するか。

脳死状態でも、人工呼吸器などを使用すれば心臓は動き、呼吸はできます。ともなれば死を受け入れることは難しいことです。

しかし、生前、他人の幸せを願う優しかった娘・瑞穂ならば、臓器提供をするだろうと夫婦は臓器提供をすることを決意します。

 

脳死を人の死とするか、心臓死を人の死とするか。

 

この問いに答えが出ることは永遠にないでしょう。もし将来、技術が飛躍的に進歩し、脳死を回復することのできる技術ができれば変わるかもしれません。

脳についてはまだ完全にその機能について解明されてはおらず、脳死判定された状態においても恒久的に脳の機能が消失した状態とは言い切れないそうです。

しかし、日本で臓器移植を希望し待機している患者の数は14000人と言われ、年間で臓器移植を受けれるのはわずか400人だそうです。

自分がこのような選択を迫られた時どうするか、問われている気がしました。

 

 

 

科学は脳死患者とその家族を救うのか

 

 

臓器提供を決断した薫子と和昌の2人でしたが、娘・瑞穂との最後のお別れをしようと手を取った時に驚く事が起こります。それは脳死状態にあるはずの瑞穂の手が動いたのです。

 

「娘は生きています」

 

そう確信し、訴える薫子。いつか娘が目を覚ますその日まで、延命治療をする事を決断します。

しかし、脳死状態において患者の体が動く現状は“ラザロ徴候”と言って、一種の脊髄反射と言われているそうです。

それでも家族からすれば死を受け入れることなど不可能でしょう。少しでも希望があるならと藁にもすがる思いです。

 

瑞穂の状態も安定して自宅療養を決めた夫婦。

日本ではまだメジャーではない心臓ペースメーカーを取り付ける手術を施し、人工呼吸器から解放されます。

その頃、夫・和昌は、身体が不自由な患者の脳からの信号でロボットアームなどを動かすBMIの研究をする自らの会社ハリマテックの研究員で、脳からの信号を直接、筋肉に伝える事で本人の手足を動かす研究を行う、星野と出会います。この出会いが夫婦の運命を大きく動かすことになります。

 

そして、和昌は薫子にある提案をします。それは星野の研究の技術の力を借りて、脳からの信号を人工的に作り出し、機械的に筋肉に直接信号を送り、瑞穂の身体を動かすということでした。

定期的に身体を動かすことで筋肉も付けられ、代謝も良くなり健康な身体を維持できる。瑞穂が目を覚ました時にすぐに身体を動かせるように。

この研究の結果、瑞穂は奇跡の子と言われるほど健康的な状態を維持します。

機械から信号を送ることで足踏みをしたり、手を挙げて挨拶する事も、そして、顔の筋肉を動かし笑う事もできるようになったのです…

 

 

 

感想

 

脳死がテーマなだけあってかなり重い作品でした。しかし、それだけあって、2時間役者さんの演技力もあり見入ってしまいました。

突然の悲劇から科学の力で希望を見出し、愛が狂気を生む姿は衝撃的です。上映中も映画を見終わった後も、もし自分が同じ立場に立った時、どうするか?とても考えされられました。しかし、いくら考えても答えは出そうにありません。

クライマックスのシーンでも篠原涼子さんの迫真の演技に息を呑みながら、瞬きも忘れて見入ってしまいましたね。

上映中は至る所からすすり泣く声が聞こえました。私自身も何度か堪えきれず涙してしまいました。ハンカチ必須です。

鑑賞した後に何か残る映画、つい帰り道にも考えてしまう映画っていいですよね。

 

物語の衝撃的な結末は是非劇場で鑑賞してください。

 

 

人魚の眠る家』は11月16日(金)公開予定です。

 

 

 

 同じく堤幸彦監督×東野圭吾作品の『天空の蜂』はHuluまたは、AmazonのPrime Videoで配信中です。

 

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天空の蜂

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